観光客、在留外国人が増えている
在留外国人が増えている
2018年6月の時点で、日本に在留する外国人は263万7,251人いることが法務省の調査で明らかになりました。この数字は過去最高となっていて、日本の総人口の約2%が在留外国人にあたるとされています。2017年2月時点から比べると7万5,403人の増加となっていて、とくに留学生や技能実習生が増加傾向にあるようですね。現在日本は少子高齢化に伴う労働力低下への対策として、労働力確保に向けた在留外国人への新たな在留資格を検討していて、今後も在留外国人の数は増えていくことが予想されます。
在留資格別だと、永住者が一番多く76万人弱、その次が特別永住者で32.6万人、留学は32.4万人で、技能実習が28.6万人ほど。国籍や地域で見てみると、中国が一番多く74万人ほどで全体の3割近くを占めています。その他のアジア圏だと、韓国が約45.3万人、ベトナムが約29.1万人、フィリピンが約26.7万人。ベトナムに関しては昨年よりも約11%増えています。アジア以外では、ブラジルが19.7万人ほどで高い数字となっています。
現場レベルで実感している
2015年頃より、国立国際医療研究センターに対して「言葉が通じる医療機関を紹介してほしい」という外国人からの相談が増えてきました。それと同時に医療機関からも、「通訳体制がなくて対応が難しいので外国人患者を引き受けてもらえないか」という相談が目立ってきました。特に都内は多くの外国人がいます。永住権を持つ外国人以外にも観光客などの短期滞在者も多く、その数は年々増加しているので医療関係者の中で早急に対策を練らなければまずいことになるのではないかという危機感が高まってきているようです。統計の数字が出る以前から、医療関係者は現場レベルで外国人患者の増加を感じているんです。身振り手振りで説明したり、患者の付き添いに来た友人の助けなどを借りてなんとかコミュニケーションをとっていましたが、これから東京オリンピック・パラリンピックなどもあるので、現体制では対応が間に合わないということですね。
新宿区に住民登録している外国人は全人口の約12%もいて、さらに増加傾向にあります。働く世代に限らず帯同家族やその子どもなど、多くの外国人に医療サービスを提供していかなければいけません。そうするためには言語が重要になっていて、特に世界の共通言語である英語を扱える医療スタッフの存在は非常に需要が高まっています。政府は訪日外国人増加に向けた取り組みを積極的にしているので、それに伴う短期滞在者への医療対応ニーズが高まっていきます。